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    鼠径部(そけいぶ)とは?場所や構造をイラスト・写真で専門医が詳しく解説

    田村 卓也 田村 卓也
    鼠径部とは

    みなさんは「鼠径部(そけいぶ)」という言葉を聞いたことがありますか?
    実はとても身近な場所なのに、普段はあまり意識することのない部位です。
    今回は、この「鼠径部」について、専門医が写真やイラストを交えながら詳しくご説明したいと思います。

    • 鼠径部の正確な場所と解剖学的構造
    • 「鼠径(そけい)」という名前の由来と語源
    • 鼠径部を構成する重要な血管・神経・リンパ系
    • 鼠径部に起こりやすいトラブルと症状
    • 鼠径ヘルニア(脱腸)との関係
    • 異常を感じた時の専門医への相談方法
    執筆者
    田村 卓也

    日本外科学会 外科専門医

    田村 卓也

    大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニック院長 | 川崎医科大学医学部卒業後、大阪赤十字病院などで臨床経験を積む。鼠径ヘルニア(脱腸)を中心とした腹腔鏡による日帰り手術に注力し、患者さまの身体的負担を軽減すべく2022年に当院を開院。

    監修者
    所 為然

    一般社団法人日帰り手術推進機構 代表理事

    所 為然

    一般社団法人日帰り手術推進機構 代表理事 | 広島大学医学部医学科卒業後、大阪赤十字病院などで臨床経験を積む。身体負担の少ない腹腔鏡下で行う鼠径ヘルニア根治術で、患者さまの早期の社会復帰を実現。鼠径ヘルニア日帰り手術広島アルプスクリニック院長。

    鼠径部の場所とは?【図解で分かりやすく説明】

    鼠径部は、私たちの体の中でも特徴的な場所の一つです。
    具体的には、おなかの下の方、足の付け根のあたりを指します。太もものつけ根、下腹部との境界線にあたる部分です。

    歩いたり座ったりすると自然としわになる、足の付け根の部分が鼠径部にあたります。
    普段何気なく過ごしている中では特に気にすることもない場所かもしれませんが、実は体の中でも重要な役割を担っている部分なのです。

    鼠径ヘルニアの図

    足の付け根との関係

    一般的に「足の付け根」と呼ばれる部分と鼠径部は、ほぼ同じ場所を指しています。ただし、医学的にはより正確に「鼠径部」という用語を使用します。

    この部分は、鼠径ヘルニア(脱腸)が最も発生しやすい場所としても知られており、多くの方が足の付け根の違和感や膨らみで気づかれます。

    鼠径部の特徴

    • 立った状態で太ももを持ち上げると動く部分
    • 座った時に自然にくぼむ場所
    • 下着のライン付近の位置
    • 触ると脈拍(大腿動脈の拍動)を感じる部分

    「鼠径(そけい)」の語源と由来

    「鼠径」という言葉の由来には、興味深い話があります。
    「鼠(ねずみ)」という漢字が使われているのには、実は理由があるのです。

    この部分をよく見ると、足を曲げたときにできる深いしわの形が、まるでネズミが通るような通り道(道筋)のように見えます
    そのため、「鼠の通り道」という意味で「鼠径」という漢字が当てられたと言われています。

    私たちの先人は、体の特徴をとても詳細に観察し、その特徴を言葉として残してくれたのですね。現代でも解剖学や医学において、この古来からの呼び名が正式な医学用語として使われ続けています。

    海外での呼び方

    ちなみに、英語では「inguinal region(インギナル・リージョン)」と呼ばれ、この「inguinal」も同様に「鼠径の」という意味を持っています。世界共通で、この部位の重要性が認識されているということがわかります。

    鼠径部の構造と重要な役割

    一見何気ない場所に見える鼠径部ですが、実は体の中でもとても重要な構造を持っています。以下の表に、鼠径部を構成する主要な組織とその役割をまとめました。

    組織系統主要な構造主な機能・役割
    血管系大腿動脈・大腿静脈足全体への血液供給・還流
    神経系大腿神経・外側大腿皮神経足の運動・感覚の制御
    リンパ系鼠径リンパ節(浅・深)免疫機能・感染防御
    筋肉系腸腰筋・内転筋群歩行・姿勢保持
    その他鼠径管・鼠径靭帯内臓の支持・保護

    血管系:生命を支える重要な血液の通り道

    鼠径部には、足全体に血液を送る太い血管が通っています
    大腿動脈と呼ばれるこの血管は、足の血液循環に欠かせない重要な血管です。

    この動脈は鼠径部で触診することができ、脈拍を確認する際の重要なポイントでもあります。医療現場では、足の血流状態を確認するために、しばしば鼠径部での脈拍チェックが行われます。

    田村 哲也 院長

    患者さまが知っておくべきポイント

    鼠径ヘルニア手術では、これらの重要な血管を損傷しないよう、解剖学的知識に基づいた精密な手技が必要です。

    神経系:足の動きと感覚を司る

    足の動きや感覚を司る重要な神経も、この部分を通って足へと伸びています。
    特に大腿神経は、太ももの前面の筋肉の動きを制御し、膝を伸ばす動作に重要な役割を果たしています。

    また、外側大腿皮神経は太ももの外側の感覚を担当しており、この神経が圧迫されると「異常感覚性大腿痛」という症状を起こすことがあります。

    リンパ系:体の防御システムの要所

    さらに、鼠径部には体の免疫システムの一部であるリンパ節が多く集まっています。
    足や下腹部からのリンパ液が集まってくる場所で、体の免疫機能を保つ上で重要な役割を果たしています。

    風邪をひいたときなどに、ここのリンパ節が腫れて気づく方も多いのではないでしょうか。リンパ節の腫れは、体が感染と戦っている証拠でもあります。

    筋肉系:動作を支える筋肉の集合地点

    また、鼠径部は歩行や姿勢保持に重要な筋肉が集まる場所でもあります。
    お腹と足をつなぐ重要な接続部として、私たちの動作を支えているのです。

    特に腸腰筋は、股関節を屈曲させる(太ももを持ち上げる)動作に重要で、歩行時の足の振り上げに欠かせない筋肉です。スポーツをする方であれば、この部分の筋肉の柔軟性や強さが、パフォーマンスに大きく影響することをご存知かもしれません。

    鼠径部に起こりやすいトラブルと症状

    この部分は、体の中で比較的弱い部分の一つでもあり、様々なトラブルが起こりやすい場所です。足の付け根にしこりや違和感を感じた経験のある方も多いのではないでしょうか。

    鼠径ヘルニア(脱腸)

    代表的な症状が鼠径ヘルニア(脱腸)です。
    これは、おなかの内容物が鼠径部の筋肉の隙間から飛び出してくる状態で、足の付け根に膨らみを感じたり、違和感を覚えたりすることがあります。

    鼠径ヘルニアの見た目の特徴

    • 立った時やいきんだ時に膨らみが目立つ
    • 横になると膨らみが小さくなるか消える
    • 触ると柔らかく、押すと引っ込むことがある
    • 痛みを伴う場合と伴わない場合がある

    リンパ節の腫れ

    前述したリンパ節の腫れも、注意が必要な症状の一つです。感染症や炎症による反応として腫れることもありますが、時には重要な病気のサインとなることもあります。

    リンパ節腫脹の特徴

    • 触ると硬いしこりとして感じられる
    • 押すと痛みを伴うことが多い
    • 発熱や倦怠感を伴う場合がある
    • 両側性または片側性に生じる

    筋肉・腱の損傷

    さらに、スポーツや激しい運動後に、鼠径部の筋肉に痛みやつっぱりを感じることもあります。これは鼠径部の筋肉や腱の使いすぎが原因となっていることが多いですが、適切なケアが必要です。

    その他の疾患

    この他にも、以下のような疾患が鼠径部に生じることがあります

    • 粉瘤(アテローム): 皮膚の下にできる良性の腫瘤
    • 脂肪腫: 脂肪組織でできた良性の腫瘍
    • 鼠径部の筋膜炎: 筋膜の炎症による痛み
    • 股関節疾患の関連痛: 股関節の問題による鼠径部の痛み

    これらの症状は、それぞれ異なる治療法が必要となるため、正確な診断が重要です。

    田村 哲也 院長

    患者さまが知っておくべきポイント

    • 早期発見の重要性: 鼠径部の異常は早期発見・早期治療が重要です。小さな変化でも見逃さないよう注意しましょう。
    • 症状の多様性: 痛みや膨らみだけでなく、違和感や重苦しさも重要なサインです。
    • 専門医への相談: 自己判断せず、気になる症状があれば専門医に相談することが大切です。

    鼠径ヘルニア(脱腸)と鼠径部の関係

    鼠径ヘルニアは、なぜ鼠径部に起こりやすいのでしょうか。それは、この部分の解剖学的な特徴にあります。

    鼠径部の解剖学的弱点

    鼠径部には「鼠径管」と呼ばれる筋肉の隙間が存在します。男性では精索(精巣につながる血管や精管)が、女性では円靭帯が通る場所です。この自然な隙間が、ヘルニアの発生しやすい部位となっているのです。

    また、立位での生活が長い現代人は、重力によって腹圧が常に鼠径部にかかりやすい状況にあります。加齢とともに筋肉や靭帯が弱くなることで、さらにヘルニアのリスクが高まります。

    早期発見・早期治療の重要性

    鼠径ヘルニアは、放置すると「嵌頓(かんとん)」という危険な状態になる可能性があります。これは、飛び出した腸管が戻らなくなり、血流が悪くなって壊死を起こす可能性がある状態です。

    そのため、鼠径部に以下のような症状を感じたら、早めの受診をお勧めします

    • 鼠径部の膨らみや腫れ
    • 立った時やいきんだ時に目立つ症状
    • 鈍痛や違和感
    • 歩行時の不快感

    鼠径部の異常を感じたら専門医へご相談を

    普段はあまり意識することのない鼠径部ですが、私たちの体の中でとても大切な役割を果たしている場所です。
    血液の循環、神経の伝達、免疫機能の維持、そして運動機能の支援など、様々な重要な働きを担っています。

    受診を検討すべき症状

    もし鼠径部に以下のような症状を感じたら、恥ずかしがらずに医療機関を受診することをお勧めします

    • しこりや腫れを触れる
    • 痛みや違和感が続く
    • 立った時に膨らみが目立つ
    • 歩行時に不快感がある
    • 発熱を伴うリンパ節の腫れ

    当院での専門的な診療

    当院では、鼠径ヘルニア(脱腸)をはじめとする鼠径部疾患の専門的な診療を行っております。消化器外科専門医と内視鏡外科技術認定医による、正確な診断と適切な治療をご提供いたします。

    特に鼠径ヘルニアに関しては、日帰り手術にも対応しており、患者様の負担を最小限に抑えた治療を心がけております。大阪梅田駅直結という立地で、お仕事や日常生活への影響を最小限にした治療が可能です。

    早期発見・早期治療が、より良い治療結果につながることも多いのです。
    普段から体の声に耳を傾け、気になることがあれば、ためらわずに専門医に相談しましょう。

    患者さまが知っておくべきポイント

    田村 哲也 院長

    患者さまが知っておくべきポイント

    • 鼠径部の重要性: 鼠径部は血管、神経、リンパ系、筋肉系が集中する重要な部位であることを理解しておきましょう。
    • 日常的な観察: 入浴時などに鼠径部の状態を確認し、いつもと違う変化がないかチェックする習慣をつけましょう。
    • 症状の多様性: 鼠径部の異常は膨らみだけでなく、痛み、違和感、重苦しさなど様々な形で現れることがあります。
    • 早期相談の重要性: 気になる症状があれば、「様子を見る」のではなく、早めに専門医に相談することが大切です。
    • 適切な診療科の選択: 鼠径部の問題は外科・消化器外科での受診が最適です。
    • 治療の進歩: 現在では腹腔鏡手術により、小さな傷で日帰り治療が可能になっています。

    大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニック
    所在地:大阪府大阪市北区梅田1丁目2番2-100号 大阪駅前第2ビル 1階
    電話番号:06-6341-5570
    アクセス:大阪梅田駅直結

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