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    鼠径ヘルニアを放置すると危険?嵌頓のリスクと治療法を専門医が解説

    田村 卓也 田村 卓也
    鼠径ヘルニア(脱腸)を放置すると危険?嵌頓のリスクと治療法を専門医が解説

    鼠径ヘルニア(脱腸)とは、足の付け根(鼠径部)で筋膜が薄くなっている部分から、お腹の中の臓器(内臓脂肪や腸)が、皮膚の下まで飛び出してしまった状態です。

    本来お腹の中にあるべき臓器が体外に逸脱した状態で、腸が出てくることが多いため「脱腸」とも呼ばれます。男性の3人に1人、女性の20人に1人が一生のうちに発症し、全国で月間11,000件の手術が行われています。

    自然治癒することはなく、放置すると命に危険が及ぶ嵌頓という状態になるため手術が必要です。
    当院では身体への侵襲が少ない腹腔鏡を用いた日帰り手術を専門的に行っています。

    • 鼠径ヘルニア(脱腸)を放置するとなぜ危険なのか
    • 嵌頓による腸壊死のメカニズムと症状
    • 放置による腸閉塞・腹膜炎・敗血症への進行過程
    • 緊急手術を避けるための早期治療の重要性
    • 専門医による安全な日帰り手術の選択肢
    • 鼠径ヘルニアの基本的な症状と見分け方
    執筆者
    田村 卓也

    日本外科学会 外科専門医

    田村 卓也

    大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニック院長 | 川崎医科大学医学部卒業後、大阪赤十字病院などで臨床経験を積む。鼠径ヘルニア(脱腸)を中心とした腹腔鏡による日帰り手術に注力し、患者さまの身体的負担を軽減すべく2022年に当院を開院。

    監修者
    所 為然

    一般社団法人日帰り手術推進機構 代表理事

    所 為然

    一般社団法人日帰り手術推進機構 代表理事 | 広島大学医学部医学科卒業後、大阪赤十字病院などで臨床経験を積む。身体負担の少ない腹腔鏡下で行う鼠径ヘルニア根治術で、患者さまの早期の社会復帰を実現。鼠径ヘルニア日帰り手術広島アルプスクリニック院長。

    鼠径ヘルニア(脱腸)とは?症状と基本的なメカニズム

    鼠径ヘルニア(脱腸)について正しく理解するために、まず基本的な仕組みから解説していきます。

    鼠径部の筋肉構造と隙間の仕組み

    体は筋肉という壁に覆われていますが、一枚板の筋肉ではなく、何枚かの筋肉が立体的に壁を構築しています。

    股関節の左右の足の付け根の分は医学用語で鼠径部と呼ばれます。鼠径部では筋肉に隙間が空いている箇所があります。

    この部分に膨らみや痛みを感じる病気で、最も注意すべきなのが鼠径ヘルニアです。

    典型的な症状:立つと膨らみ、横になると消失

    鼠径ヘルニアは鼠径部にある筋肉の隙間から内臓(腸や膀胱)が皮膚の下まで脱出する病気です。

    その隙間から腹膜が袋状に皮膚の下まで脱出するのが鼠径ヘルニアであり、袋の中に腸管が出ると患者様は「鼠径部が膨れた」と感じるわけです。

    典型的な症状は、立ったり、お腹に力を入れたりすると鼠径部に膨らみが出て、横になると消失します。

    腹膜が袋状に脱出する過程

    鼠径ヘルニアは鼠径部にある筋肉の隙間から内臓(腸や膀胱)が皮膚の下まで脱出する病気です。

    鼠径ヘルニアは放置すると徐々に大きくなるだけでなく、「嵌頓」という状態になる事があります。

    鼠径ヘルニアの図

    (右側)小腸がヘルニア門から体壁外へ脱出している状態

    鼠径ヘルニアは自然に治る?放置するとどうなるのか

    ヘルニア嚢は自然治癒しない医学的理由

    皮下まで伸びた腹膜の袋(ヘルニア嚢)の中で、腸管や膀胱が出たり入ったりすることはありますが、袋自体が自然に戻るということはありえません。

    つまり鼠径ヘルニアは自然治癒することはありません

    鼠径ヘルニア(脱腸)の治療には手術が必要です。

    放置により段階的に悪化する経過

    では放置するとどうなってしまうだろうか。

    鼠径ヘルニアは放置すると徐々に大きくなるだけでなく、より深刻な状態へと進行していきます。

    「出たり戻らない状態」になるタイミング

    “出たり戻らなくなる状態” になってしまうことがあるんです。

    この状態を「嵌頓」と呼びます。文字通り、嵌り込んで、頓挫した、の状態です。

    嵌頓(かんとん)とは?なぜ緊急事態になるのか

    嵌頓の医学的定義「嵌り込んで頓挫した状態」

    嵌頓とは、文字通り、嵌り込んで、頓挫した、を指します。

    腸管がヘルニア門(筋肉の隙間)から脱出した後、戻らなくなってしまった状態のことです。

    8時間のタイムリミット

    この状態になって8時間以上経過すると、腸が壊死して腹膜炎に至ります

    嵌頓は時間との勝負であり、早急な対処が必要な緊急事態です。

    緊急手術が必要になる症状

    こうなってしまっては緊急手術をしない限り、救命できません。

    広範囲に洗浄する必要もあるので、大きくお腹を切開した開腹手術となり、術後もICUにしばらく入院が必要です。

    嵌頓のイメージ図

    なぜ腸管が壊死するのか?血流遮断のメカニズム解説

    腸管への血流が途絶える3つの原因

    身体の全ての細胞は血流によって運ばれた酸素と栄養によって生きており、血流が途絶えると壊死してしまいます。

    腸管への血流が途絶える原因は大きく分けて以下の3つになります。

    原因メカニズム
    機械的血流遮断腸管捻転や絞扼により血流が機械的に途絶える
    血管閉塞腸管を栄養する血管が血栓で閉塞する
    全身状態悪化全身状態の悪化により腸管への血流が途絶える

    鼠径ヘルニア嵌頓による機械的血流遮断

    鼠径ヘルニアの嵌頓は上記の1番の状態になり、血液を流すホース:血管が締め付けられて、血流が途絶えます。

    血管が締め付けられて壊死に至る過程

    ヘルニア門(筋肉の隙間)で腸管とその血管が締め付けられることで、血液の供給が完全に断たれ、組織の壊死が始まります。

    鼠径ヘルニアの大きさと嵌頓リスクの関係

    膨らみが小さくても腸管壊死になりうる理由

    鼠径ヘルニアが小さくても要注意!

    そして注意すべきは、嵌頓を起こすリスクは鼠径部の膨らみの大きさと関係がなく、例え膨らみが小さくとも腸管壊死になりうることです。

    ヘルニア発症から何年も経っている可能性

    鼠径ヘルニアでは、腸管より先に腹膜(腹壁の内側の皮膚)が袋状になって皮下に出ています。

    ですから、鼠径部に膨らみを感じた時は、実は鼠径ヘルニアが発症して何年か経っているのです。

    膨らみの大きさとリスクは関係ない重要事実

    膨らみの大きさに関係なく、嵌頓のリスクは存在します。小さな膨らみでも油断は禁物です。

    緊急手術で壊死した腸管を切除して無事吻合ができることが殆どですが、吻合ができずに人工肛門となる可能性もあります。

    嵌頓から腸閉塞・腹膜炎・敗血症に至る危険な経過

    腸閉塞(イレウス)による消化管の閉塞

    人間の消化管は口からお尻まで一本の管となっています。

    この管が途中で狭い空間に入り込んでしまう、あるいは捻じれてしまうと、腸閉塞となります。イレウスともいいます。

    腸閉塞になると、口から食べたものが通らなくなります。ただし、消化液は延々と産生されてどんどん流れてきます。

    腸管穿孔から腹膜炎への進行

    すると、閉塞した部分にどんどん圧がかかり、腸管が壊死してしまい、腸管穿孔を引き起こします。

    腸管穿孔すると、腸内容(;便)がお腹の中に散らばり、瞬く間に腹膜炎となってしまいます。

    敗血症による生命の危険

    また、腹膜から細菌が血中に入り、敗血症にもなってしまいます。

    この段階まで進行すると、生命に関わる重篤な状態となります。

    鼠径ヘルニアは必ず嵌頓する?リスクが高い人・低い人

    約30%は嵌頓しない理由

    では、鼠径ヘルニアになったら必ず嵌頓するのでしょうか。

    具体的なデータはありませんが、おそらく約30%の方は嵌頓しないと思っています。

    ADLが低下した人の嵌頓リスク

    どういう方が嵌頓しないのだろうか。

    一つはADLが落ちてから発症した方です。

    日中の殆どの時間を寝て過ごす方であれば、嵌頓するリスクはかなり低いと言えます。

    寝ている状態であれば、腹腔内からみた鼠径部の筋肉の欠損部(ヘルニア門)は天井の窓と言えます。

    ヘルニア門の広さと嵌頓の関係性

    二つ目はヘルニア門が広い方です。

    十分にヘルニア門が広ければ、どれだけ腸管が脱出しても戻らなくなる事はありません。

    ただ、ヘルニア門が広いということは、脱出する腸管の量も多くなるに等しいです。

    そうなってしまうと、外から見た鼠径部の膨隆もどんどん大きくなります。

    私たちは鼠径部膨隆の大きさを、「卓球大」、「鶏卵大」、「手拳大」、「小児頭大」と表現します。

    ヘルニア門が広い方は嵌頓こそしませんが、最終的には鼠径部にメロンを抱えた状態になってしまう事があります。

    歩行に支障をきたすだけでなく、下着の着用が困難になるリスクも生じます。

    嵌頓リスク患者特徴理由注意点
    低リスクADL低下者寝て過ごすことが多い膨隆が進行する可能性
    低リスクヘルニア門が広い腸管が戻りやすい巨大化のリスク
    高リスク活動的な人腹圧がかかりやすい早期治療を推奨
    高リスクヘルニア門が狭い締め付けられやすい特に注意が必要

    緊急手術を避けるための早期治療の重要性

    緊急手術と予定手術の違い(開腹vs腹腔鏡)

    嵌頓による緊急手術と、計画的な日帰り手術では、術式や回復期間に大きな違いがあります。

    緊急手術では大きくお腹を切開した開腹手術が必要となり、術後の負担も大きくなります。

    人工肛門になるリスク

    緊急手術で壊死した腸管を切除して無事吻合ができることが殆どですが、吻合ができずに人工肛門となる可能性もあります。

    ICU入院が必要になる可能性

    術後もICUにしばらく入院が必要となり、社会復帰までに長期間を要することになります。

    普通に生活している方で鼠径ヘルニアになった場合、必ず治療をすべきと考えます。

    田村 哲也 院長

    患者様が知っておくべきポイント

    • 早期発見の重要性:鼠径ヘルニアは自然治癒しないため、小さなふくらみでも見つけたら早めの受診が大切です
    • 症状の個人差:明らかなふくらみがなくても、鼠径部の違和感や軽い痛みが鼠径ヘルニアの初期症状の場合があります
    • 緊急性の判断:ふくらみが硬くなり、押しても戻らない場合は「嵌頓」の可能性があり、緊急受診が必要です
    • 生活習慣の見直し:リスク要因を理解し、可能な範囲で生活習慣を改善することで発症予防や進行抑制につながります
    • 定期的なセルフチェック:特に50歳を過ぎたら、入浴時などに鼠径部を確認する習慣をつけることをお勧めします

    鼠径部にしこりと痛みを感じたらすぐに専門医へ

    MIDSクリニックの日帰り手術による根治治療

    当院は大阪駅直結の鼠径ヘルニアの日帰り手術を専門としたクリニックです。

    鼠径ヘルニアかな?と思ったら、早期の専門医受診が重要です。

    消化器外科専門医・腹腔鏡外科技術認定医による安全な治療

    消化器外科専門医と腹腔鏡外科技術認定医による安心安全の腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術を提供いたします。

    鼠径ヘルニアは鑑別疾患も多いので、「鼠径ヘルニアかどうか分からないけど鼠径部が膨らんでいる」という方も気軽にご相談ください。

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